8月24日に安倍首相がインドを訪問し、日印首脳会談が開かれたと各メディアが伝えました。
今回の日印首脳会談の評価は大手新聞社4社では面白いほどに違いが出ているので紹介したいと思います。
紹介部分はかなり意訳していますので本文を読んでください。
読売新聞・・・ある程度は評価しているような書き方だと思います。
「ポスト京都」の温暖化対策は(中略)安倍首相が、インドからも一定の協力を取り付けたことは、成果といってよい。
共同声明は「シーレーンの保全と安全」確保のため、2国間協力の方向性について検討していくことを明記した。
日印両首脳は、両国関係を「新しい次元」に引き上げることで一致したという。そのための作業を加速させていかねばならない。
関連記事→ 「日印首脳会談 重層的な「新次元」の関係を築け」(読売)
毎日新聞・・・ある程度は評価し、会談には意味があったと評してるようです。
国際社会の中で存在感を増しているインドとの関係を強化することは日本のアジア外交の幅を広げる観点から意味がある。
インドと米国の民生用核協力について(中略)安倍首相は明確な支持表明を避けた。
日本は(t中略)インドの核兵器保有を認めるわけにはいかない。
今回の首脳会談のポイントは二つあった。地球温暖化対策と、インドと米国が合意した民生用核協力協定への対応である。だが、この二つの課題について目を引く成果があったとは言えない。
今後の日本のアジア外交には、対中国と対インドの効果的なバランス関係を考慮し、拡大アジアの中でどういう役割を果たしていくかということこそが問われる。
関連記事→ 「日印関係 戦略的協調への第一歩に」(毎日)
産経新聞・・・かなり高評価ですし200人の経済界の代表が同行したと他紙に書かれていないことも書かれていました。
両首脳の共同声明では(t中略)実質的な前進をめざすことで合意ができたのは大きな成果といってよい。
日印関係は最近まで活発といえなかったし(中略)安倍首相には200人余の経済界代表も同行した。政府間協力に加えて、民間の経済分野でも相互協力の深化と拡大に努める意味は小さくない。
また、安倍首相がインド国会で行った「二つの海の交わり」と題する演説で「強いインドは日本の利益であり、強い日本はインドの利益だ」と強調した点も重要だ。
アジアの軸足を確認しつつ、日印両国に米、豪も加えた「拡大アジア」の枠組み強化に取り組む姿勢を打ち出したことを評価したい。
関連記事→ 「【主張】日印首脳会談 戦略的協力さらに育てよ」(産経)
朝日新聞・・・一貫して批判的な内容で、インドより中国に目を向けろと主張してます。
首相にとって、インド訪問はその実践と言えるものだった。だが、価値観を共にする相手であっても、国益の違いを乗り越えるのは容易でないことを思い知らされたのではないか。
首脳会談でインド側は米印協定への支持を求めた。これに対し、安倍首相は(中略)態度を保留した。
理解しがたい対応である。被爆国の首相がこんなあいまいな態度を取っていいはずがない。
しかし、日本にとって中国が持つ重みは、インドとは比べものにならない。在留邦人でみれば、中国が10万人を上回るのに対し、インドは2000人ほどだ。相互依存の度合いが全く異なるのだ。
価値観を声高に唱えるような一本調子の外交は考え直した方がいい。
関連記事→ 「首相の訪印―価値観外交のすれ違い」(朝日)
特にインドの核保有に対して態度を保留した安倍首相に対しての評価ですが。
読売・・・日本として慎重に対応していくのは当然だろう。
朝日・・・理解しがたい対応である。
こう評価が割れるのはどうした物なのでしょうね・・・
この四紙を比べてみると朝日新聞だけが今回の会談は無意味で、インドよりも中国との外交を大事にしろと主張していますね。
マスコミによる印象操作は前回の参院選の結果にも大きく影響を与えたように思います。
こういった情報を受け取る側である読者=国民が自分の考えで本当の評価をしないと、気付いたときには変な方向を向いている可能性もあるので気をつけたいものです。
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